11月15日にぎふ木遊館が開催する「ぎふ木育実践者スキルアップ研修」を担当させて頂きました。この研修はぎふ木育サポーターやぎふ木育指導員の方を対象に県が開催している研修です。年に数回開催されていて、うち、規定の回数を受講することでサポーターさんが指導員にステップアップする際の条件にもなっています。今回、オファーのあった内容は「木のもの作り」についてのレクチャーでした。
昨年度の講習では森に入って材料を採取するところから始まり、森の中でも工作、工房に戻ってからも工作~といった工作三昧なワークを行ったのですが、今年はもう少し「森」自体にもフォーカスして講座を行いたいなと考えました。というのも、この講座に参加する方の多くは、ぎふ木遊館で館内スタッフをされている「里山さん」をされています。おもちゃや遊び、製品になった木に触れる体験を通じて、森や山のことを伝える里山さん。そんな皆さんに、リアリティのある「森」や「木」に触れて欲しいと思ったのです。
林業分野には疎い木工教員でも、年に何度か森に入り、そこで見たり聞いたりするリアルな森の姿は自分の中の「自然観」や、モノ作りの考え方に大きな影響を及ぼしていると思います。そんな森に対する肌感を感じてもらうようなことをねらいにして、森のツアーを行いました。
演習林で針葉樹の人工林や里山林などを見た後は丸太の製材も体験してもらいました。余談ですが簡易製材機を設置しているCobikiという建物は森林文化アカデミーの学生が設計、施工した自力建築です。Cobikiの設計コンセプトは多くの人に製材を見てもらい、山や木についての知識を深めてもらうこと。今回はそんな学生のプラン通りの施設利用となりました。今回の製材では、丸太を切ったところからネコのような木目模様の板が取れて、皆さんとても盛り上がって楽しんで頂けたようです。
午後からはいよいよ、モノ作りのワークがスタートです。まずは参加者の皆さんに演習林で伐ってきて頂いた間伐枝を工作しやすい長さに切っていきます。こういった作業をしていきながらノコギリの選び方や使い方、サポートの仕方などを体験的に学んでもらいました。
ここからは、普段の里山ナイフ教室と似たような形でボタンとヘアアクセサリー作りの体験や、きのこメソッド(と勝手に呼んでいる)ナイフワークを使って、人形やお魚など、自由なもの作りを楽しんでもらいました。伝える側の思いとしては、テクニック的なことも大切なのですが、自分で工夫したり、発想したアイデアを形にする楽しさなどを知ってもらう方に主眼をおいたような建付けのプログラムをさせて頂きました。
今回のプログラムをそのまま実施するというのはリアリティがないかもしれませんが、木工の基本となるような「切る」「削る」「穴をあける」といった作業に使う道具の選び方、使い方、サポート方法の基本的なことは学べたと思います。あとはこれを組み合わせて、どんな面白いことができるかを皆さんには楽しみながら考えていってもらえたらと思います。
今回、講座を担当させて頂いて感じたのは、本当に岐阜は木育の人材の宝庫だなということです。これは、一般の方にあっても森や木のことが好きで、それを学びたい、伝えたいという熱意を持った方がいっぱいいらっしゃるということです。そういった方々が活躍する場や、もっと充実した学びができる場作りに、今後も関わっていけたらと思っています。
このたびは素敵な研修に関わらせて頂き、ありがとうございました!
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