1年の活動の最後はえんぴつ削りで【みやま保育園3月の木育ナイフ教室】

当初は2月に行う予定だった年長さん最後の木育ナイフ教室。
インフルエンザの流行があったため、みんなが顔をそろえることができそうな3月まで延期になりました。そんなふうで、子ども達はまだかなー?と、待ちわびていたかもしれない最後の木育ナイフ教室を3月11日に開催しました。

えんぴつ削り

子ども達がナイフを使って削った自分のえんぴつ

最後のナイフ教室で取り組んだアイテムは2つ。

1つはえんぴつ削り。
小学校にあがったら、みんなが毎日使うことになるえんぴつ。日常的にナイフを使って削るようなことは無いかもしれませんが、自分でも削ることができることや、いろいろなえんぴつの削り方があることを知ってもらいたくて、最後のナイフ教室で、えんぴつ削りを体験してもらうことにしました。

もう1つはペン立て。
自分で削ったえんぴつを、置く場所を作ってあげよう。そんな考えで作ることにしました。以前に他所のワークショップで切って残してあった「コシアブラ」の木の幹に、ペン立てになるよう穴を開けて準備をしてきました。

まずはえんぴつ削りから

とても真剣な表情でえんぴつ削り

まずは最初にえんぴつ削りから。

普段のナイフ教室で使う山で切ってきた木の枝と違い、えんぴつはとても柔らかく削りやすい木で作られた工業製品です。えんぴつを削るときは、力を入れすぎると削れ過ぎたり芯が折れたりするので、ていねいさが大事なポイントになります。この日準備したえんぴつには、手で持つ場所とナイフを置く場所の目印になる黄色いテープを巻きました。

「えんぴつの下を持ちすぎると、ナイフの背中を親指で押せないよ」

「ナイフをテープの上に寝かせて、左手の親指で押しながらゆっくり、えんぴつをまわしながら削るんだよ」

と伝えて、子ども達もいざ、チャレンジです。

えんぴつ削り

集中して、ていねいに削っていきます。

普段の削り方と違って、ナイフのお腹(刃が付いたところ)が、とても手の近くに来るため、子ども達もいつもより緊張した様子。でも、えんぴつの緑の塗装が削れて、木の色が現れてくると、みんな「わっ!」と目を輝かせて、それからはとてもとても真剣にえんぴつ削りに取り組んでいました。

見ていて驚いたのは、えんぴつ削りは初めてにもかかわらず、とても上手に力の入れ具合をコントロールしていたことです。これまでのナイフ教室でも、少しずつ削ることでかたちをていねいに作ることを何度かやってきた子ども達。その時の経験を思い出すように削る姿が印象的でした。

安心して見守れる、落ち着いて削る姿

安心して見守れる、落ち着いて削る姿

少しずつ、ていねいに削っていきます

始めてナイフで削って、この形に削れるのはすごいこと

えんぴつ削り

どこまで削るかも、それぞれに納得するまで取り組みました

この活動は、道具を使う過程の中で試行錯誤することや、うまくいった時の達成感、自分の力でやり遂げることなどを大切にしています。なので、実は子ども達が技術的に上手に削ること自体には、それほど重きをおいていません。でも今回、とても初めてとは思えないような上手な形にえんぴつを削る子ども達を見ていると、1年間の経験が身についているんだな・・と、とても嬉しい気持ちになりました。

えんぴつの先っぽをとても短く削る子。先細りのところにぽこっと段を付けて削る子。先っぽに向けてきれいに真っ直ぐ尖ったえんぴつに削る子。それぞれが自分の手で頑張って削ったえんぴつの形はどれも個性があって、とても素敵でした。

この日が最後の木育ナイフ教室

それぞれに自分のえんぴつを削る子ども達

みんながえんぴつ削りを終えたところで、次はペン立て作りです。

このペン立ては、筒状に芯を抜いたコシアブラの幹を2つに切り分けて、思い思いの見た目になるようナイフで削って、底板をはめたら完成というものです。まずは2人組のペアを作ってノコギリで切り分ける作業から始めました。

1人が押さえて、もう1人がノコギリで切ります。

1人が押さえて、もう1人がノコギリで切ります。

押さえる方はしっかりと、ノコギリはお友達に刃が当たらないよう、ゆっくり切っていきます

押さえる方はしっかりと、ノコギリは手に刃が当たらないよう、ゆっくりと切っていきます。

このノコギリの作業も、材料が小さいゆえに手とノコギリの距離が近くて、実はちょっと怖い作業です。でも、1年間ナイフ教室に参加してきた子ども達は「どうしたら危険か」ということを理解して、落ちついてノコギリをゆっくり動かしながら、協力して切り分けることができていました。

このあたりのタイミングで、年中さん達が見学に来て、お兄さん、お姉さんたちが道具を使って工作をする様子を興味深そうに見ていきました。作業をする年長さん達は集中できなくなるかな・・?と、少し心配もしましたが、気にするそぶりも無く、手元の作業に集中して、ペン立て作りを進めていきました。

切り分けたら、思い思いに外側を削って模様にしていきます。

思い思いに外側を削って模様にしていきます。

木の方をくるくる回しながら、上手に削っていきます

木の方をくるくる回しながら、上手に削っていきます。

パーツを切り分けたら、思い思いの模様をナイフで削って作っていきました。いつもの枝より太いサイズになるため、どうやって持って、削ったら良いか戸惑う姿が最初は見られました。「こうしてみると良いよ」と、アドバイスをすると「わかった、ここは大根を切る削り方だね」「ここはちょこちょこ削りでやる」と、今までのナイフ教室で教わった削り方を口にしながら、上手に対応していく姿に、子ども達の成長を感じました。

ペン立ての筒の中もナイフで軽くこそげてきれいにします

筒の中もナイフでこそげてきれいにします

そして出来上がった、えんぴつとペン立て

そして出来上がった、えんぴつとペン立て

見て!できたよ!

見て!できたよ!!

外側を削り終えたコシアブラに底板になるヒノキの円盤をはめ込んで、思い思いのペン立てを全員完成させることができました。これからコシアブラの幹が乾燥して縮み始めると、底板をしっかりと噛みこんで抜けないようになるはずです。小学校に上がっても、この鉛筆立てを使ってもらえたら嬉しいですね。

この日は最後のナイフ教室ということで、子ども達から「ありがとうの花」の歌のプレゼントをもらいました。当初予想していなかったのですが、とても嬉しかったです。

出来上がった作品を持って記念写真

出来上がった作品を持って記念写真

この1年、子ども達のたくさんの笑顔を見ながら、大きなケガ無く活動できて良かったです。木育ナイフ教室は楽しみながら学びもあって、この活動が子ども達の成長の一助につながれば良いなという思いでこの1年間続けてきました。このナイフ教室が、今日明日、子ども達の変化として現れるようなことは無いかもしれませんが、何かしら、心と体に残るモノがあれば良いなと思います。

この活動にご理解とご協力頂いた保護者の皆さまや保育士の先生方、どうもありがとうございました!

最後はみんなでお片付け

最後はみんなでお片付け

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