ナイフカフェはじめます-新しい研究と実践-

この1年間、情報発信ができていませんでしたが、今年度から新しい試みとして「ナイフカフェ」というプログラムを始めます。

ナイフカフェはじめます

2020年度の中ごろから、関わりのあるフィールドから「(小刀やナイフなど)刃物を使った体験の提供ができないだろうか?」という相談をもらうことが増えてきました。これを機に、この半年ほど色々な刃物を使い比べてみたり、他の方が実施するナイフのワークショップに足を運んだりすることを始めました。

技術的なことや実践的な情報を集める中で、意外に多く「ナイフを使ってみたい」、特に子どもを対象に刃物を使わせたいというニーズがあることがわかりました。同時に、それに応える「受け皿」が不足しているようでもあります。そこで始めたのが「ナイフカフェ」という実践研究です。

ナイフカフェとは

カフェという言葉が付きますが、飲食の提供はしていません

ナイフで枝を削ってみる

ナイフカフェは、ふらっと立ち寄っていただいた方に木を削って遊んでもらったり、ナイフの使い方のヒントを見つけてもらったりする試みです。
カフェとついていますが、ナイフカフェは飲食のお店ではなく、ゆるゆるとモノ作りをしながら参加者と交流する「場」のことです。「交流の場」=カフェ という意味で名付けました。
活動の目的は身構えずに刃物についての色々なことを「気軽に」学べる場を作ることです。

例えば刃物にはどんな種類があるのかだとか、刃物を使ってどんなことができるのかだとかを、参加者は体験を通して考えることができます。

ナイフカフェでは、大人から子どもまで自由に参加できます。作るモノも、フィールドや参加者のオーダーによって、その場で決めます。ナイフカフェは参加者とのコミュニケーションを軸に、刃物を身近にしていく方法を探る取り組みです。

実践

今はセラミックパークMINOをフィールドに行っている「セラパークあそび隊!」の森のあそび場や、森林文化アカデミー内の森林総合教育センターmorinosで月に1回程度、カフェをオープンしています。

マシュマロフォーク

こんなフォークもナイフで作れます

まだそれぞれの場所で1回ずつ(カフェの看板を出して活動したのは1回だけ)しか開催していませんが、森の手入れで伐採した枝木を材料にフォーク、バターナイフ、コマ、ペーパークリップなどを作ってみました。参加してくれたのは幼児さんから小学生、大人の方まで幅広く。使った刃物はノコギリ、morinocoナイフ、モーラナイフ、ビクトリノックスのマルチツール(多用途ナイフ)、穴あけ用のドリル(木ネジビット)など、いずれも電源を必要としないハンドツールです。

焼きペンを使ってウサギのフォークに

morinosのナイフカフェでは焼きペンを使ってウサギのフォークを作りました。電源を使ったのはこれだけ

やってみて驚いたのは、電動工具が無くても、けっこう色々なモノが作れること。今のところは初心者向けのナイフ体験の場ですが、今は関市など保育士向けのナイフ研修なども行っていますので、それに参加した先生方のフォローアップなどもナイフカフェでしていけたら良いなと思っています。

ナイフカフェの道具

ナイフカフェで使っているハンドツール

研究

morinocoナイフでフォーク作り

morinocoナイフでフォーク作り

ナイフカフェは自身の研究と調査の場でもあります。

  • どんな刃物が使いやすいのかの調査
  • 対象年齢に合わせた製作アイテムの調査
  • ナイフワークの研究
  • ナイフプログラムの研究
  • etc・・・

あげていくと他にもまだまだありそうですが、ナイフカフェは刃物の普及や指導方法の研究を行っていく場にもなっています。

参加者の声

ナイフを使う子ども

ナイフカフェでは調査のため、参加者にアンケートに協力してもらっています。その中にあった参加者の声の一部をご紹介します。

  • 「やり始めたら夢中になって、楽しくなってとまらなかった。」(大人の女性)
  • 「ナイフを使うことがなかなか無いので楽しかったし勉強になった」(大人の女性と小学1年生)
  • 「ナイフがしっかり研いであると切った時に気もちが良く、切り口もキレイだとわかりました。簡単につくれるもの、気軽に参加できる形でとても良かったです。」(大人の男性)
  • 「ていねいに教えてもらってとっても楽しい時間でした。ステキな作品ができてうれしいです」(大人の女性と5歳の幼児さん)

今のところ作品作りが主な活動ですが、参加した方からは好評を頂いています。自前のナイフを持っていらした参加者の方は自分の持っているナイフとこちらで準備したナイフを比較して使ってみたりして、色々と新しい発見もあったようです。今後はナイフを使いつつ、フィールドに合わせた「森の楽しみ方」であったり「保育の場でのプログラム」であったりも伝えられるような活動にしていきたいと思っています。

今後の活動

今のところ、ナイフカフェは上の2カ所で実施していく予定ですが、要望を頂ければ出張開催していくことも可能かなと考えています。焚火ができる場所ではマシュマロフォークを作るなど、フィールドに合わせた簡単だけど面白いモノを作ってもらえるよう、色々なアイテムや作りやすい作り方を考えたいと思っています。

新型コロナウイルスの影響で、事前募集、事前予約型の講座やワークショップは直前になって開催できなくなるケースも増えています。ナイフカフェは諸々の事情に配慮した上で、自身のフェイスブックで開催情報を発信しています。セラミックパークの森のあそび場は基本第4土曜日に開催していますので、こちらは予定にも組みやすいと思います。

お気軽に遊びにきてください

ナイフカフェ

小枝に穴をあけてコマづくり

興味はあるけれど、いきなりナイフを使うのは怖いな・・という方は、まずは「どんなことができるんだろう」という視点で、見るだけ体験から始めて頂くのもOKです。

ナイフカフェを企画した理由の1つに「刃物を使う体験の敷居の高さを無くしたい」というのがあります。ナイフカフェでは、本格的なカービング用ナイフから、安全面に配慮された小ぶりのナイフなど、数種類のナイフを用意しています。また、子ども用の耐切創手袋(刃物で簡単には切れない繊維でできた手袋)も用意していますので、年中くらいの幼児さんでも比較的安心な環境でナイフクラフトを体験できます。どうぞお気兼ねなく、気軽に遊びにきてください。

たくさんのご参加をお待ちしています!

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