音は鳴った?初めての笛作りプログラム【7月おとなと子どもの里山ナイフ教室】

7月のおとなと子どもの里山ナイフ教室は、ウワミズザクラやタカノツメの小枝を材料に、笛作りを行いました。

ひと口に笛といっても、その仕組みには色々なものがあります。今回作った笛はリコーダーのような「エアリード楽器」と呼ばれる仕組みの物になります。このタイプの笛はパーツとしての振動部分(リード)はありませんが、吹きこんだ息がエッジ形状にあたった際に、空気の振動が発生して音を鳴らすような仕組みになっています。と、言葉で説明すると簡単なのですが、音が鳴る「絶妙な形と位置」を見つけるのが、なかなかに難しいのです。

思いのほか、かんたんに音を鳴らせた子、逆にあれこれやってもなかなか音が鳴らない人、いろいろなパターンのあったナイフ教室の様子をレポートでご紹介します。

今回のナイフ教室は森林文化アカデミーの林業機械学習棟で行いました

今回のナイフ教室は森林文化アカデミーの林業機械学習棟で行いました

7月7日は雨の特異日とも言われますが、この日は朝からとても天気が良く、予報では38度にも気温が上がるとのことでした。当初は森の中での終日の活動をする予定でしたが、さすがに危険も伴うため、前日連絡で会場を室内に変更して行いました。参加者の皆さんも「この暑い中、外でやるのはつらいのでは・・」と考えられてたそうで、「室内で良かったー!」とおっしゃる方が多かったです。

まずは木の枝に穴あけから

まずは木の枝に穴あけから

笛作りは、まず最初に木の枝に穴を開けるところから始まります。この穴は、普段のナイフ教室で使っているドリルよりも大きい穴になるため、今回は手回しでも力が入れやすいドリル用ハンドルを使いました。

穴が横に逸れないように注意しながらグルグル穴をあけます

穴が横に逸れないように注意しながらグルグル穴をあけます

吹き口の樹皮をけずり、エッジの切込みをノコギリ・ナイフで入れます

吹き口の樹皮をけずり、エッジの切込みをノコギリ・ナイフで入れます

吹き口を作ったら、試し吹き

吹き口を作ったら、試し吹き

このエアリードの仕組みを使った笛は、作ってみると意外と工程が少ないので、形としては「あっさりと完成するね」という印象。テンポよく作業を進めていた男の子が、早々に完成させて、試し吹きをしてみると・・

「ぴぃー・・!!」

とても良い音が会場に響きました。

ピー、ピー、良い音がするね

ピー、ピー、良い音がするね

「吹き口に差し込む小枝の位置をうまく調整するのが難しいので、微調整しながら音が鳴る場所を探ってくださいね」

と説明していたのですが、おおざっぱな感じ(失礼!)に作っていた男の子が、いとも簡単に完成させてしまったことに少しびっくり。でも、ちゃんと音が鳴る笛ができ上って、ホッとした瞬間でもありました。

その後は、徐々におとな達も笛の形はできたのですが、今度は「フー」「スカ―」という感じで、なぜか、音がうまく鳴りません。全体的に、子ども達が作る笛はよく音が鳴り、おとな達が作る笛はうまく鳴らない感じです。あれ?なんで?

みんなで色々と試行錯誤してみたり、意見交換をしてみた結果

1、穴の中に木くずが残っていると音が出ない

2、エッジは小さすぎると音が出にくい

3、サクラよりもタカノツメの方が大きい音が鳴る

などなどの、良い音が鳴る笛の条件が見えてきました。

子ども達が作る笛は、すこし穴が広くあきがちだったのですが、それが良い方向に影響していたようにも思います。少しずつ、音が鳴る笛を作る要素がわかってくると、うまく調整し直した笛が音を鳴らせるようになってきました!

吹き口の削り跡のかわいい笛

吹き口の削り跡のかわいい笛

 

完成!音も鳴るよ

完成!音も鳴るよ

完成した笛にイラストを描きました

完成した笛にイラストを描きました

音が鳴らない場合は吹き口の小枝を1度外して、穴の中を何度かドリルで抜き差しして木くずを取り除くことで、だいたい音がきれいに鳴るようになりました。ただ、全体的にサクラの笛は音が小さめになりがちだったので、穴の中の毛羽立ちが残りやすかったのか、もしくはタカノツメとの比重の違いが影響しているのかもしれません。こういうところは「木」という自然の素材ならではの思い通りに行かない部分であり、工夫を生み出す楽しさの部分でもあります。

だいたい皆さん、音が鳴る笛が1つできたころにお昼の時間が来ましたので、それぞれに昼食休憩をとって頂きました。午後からは引き続き笛作りを進める方。自分の作ってみたい作品作りに取り組む方。それぞれにナイフクラフトを楽しんでもらう「けずりば」形式で過ごして頂きました。いつものナイフ教室ですと、午前中が終わった段階で、午後の部の参加者との入れ替えを行っています。そのため、お昼近くの作業は急ぎがちになってしまうのですが、今回はお昼をはさんで行うプログラムにしたおかげで、作業を急かされることも無く、皆さんゆったりともの作りに取り組んで頂く姿がみられたのが印象的でした。

それぞれの作品作りの時間「けずりば」

それぞれの作品作りの時間「けずりば」

手元を見てみると、作っている作品はそれぞれ異なります

手元を見てみると、作っている作品はそれぞれ異なります

6月のナイフ教室でも作ったどうぶつや

6月のナイフ教室でも作ったどうぶつや

自作ルアーにチャレンジ。ナイフが使えると、自分で思ったものを作ることができます。

自作ルアーにチャレンジ。ナイフが使えると、自分で思ったものを作ることができます。

最後にそろって集合写真。小枝の笛に、他にもいろいろな作品が出来上がりました!

最後にそろって集合写真。小枝の笛に、他にもいろいろな作品が出来上がりました!

小休止に、お茶とお菓子を挟んだ休憩時間を取ったりしながら、和気あいあいと過ごす1日のナイフ教室を楽しんで頂きました。

この開催形式は、参加者から頂いたアンケートでも「ゆったりと焦らずに作れるので良い」「いろんな作品作りができるのが良い」といったお言葉を頂きましたので、また試行的に今年度のプログラムは、このような1日形式で、時間に余裕のあるプログラムを何度か組んでいきたいと思います。
暑い中、ご参加頂いたみなさんありがとうございました!

次回8月のプログラムは名古屋市農業センターで「くるま作り」と「竹のアイススプーン作り」を開催する予定です。
そちらもたくさんのご参加をお待ちしています!

最後、お掃除まで手伝って頂き、ありがとうございました!

最後、お掃除まで手伝って頂き、ありがとうございました!

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