10月20日に、山県市のみやま保育園の年長さんたちと、きのこ作りをしてきました。
材料は、ヒノキにアラカシ、ヤマザクラにヒサカキ、タカノツメ・・と、保育園の周囲の山に見られる木々の中から選んでもらいました。一口に「木」と言っても、種類の違う木の枝を並べて見ると、木の皮(樹皮)の色や質感はそれぞれに個性的です。子ども達も興味深そうに見比べながら、自分好みの材料を選んでいました。
きのこ作りは、まず最初に、ノコギリで枝の周りをぐるっと1周、切込みを入れていく作業から始まります。この切込みが、きのこの「傘」の部分の境界線になります。子ども達はゆっくり、やさしく「動物の背中を撫でてあげるような強さ」で、慎重にノコギリを挽きながら切込みを入れていきました。

ノコギリで枝をぐるっと切込みを入れます

コツはやさしくやさしく鋸を引くこと

両手を上手に使って切っている様子が見られました
次はきのこの軸になる部分を削っていきます。
ここで重要になるのが、ナイフで削る「力加減」です。
強い力で削りすぎれば、ナイフは止まらずに、きのこの傘まで一緒に削り落としてしまいます。「やさしく、ちょこちょこ、削っていこう」「ナイフの刃が止まってしまうのは『木が嫌だ』って言ってるからだよ。」「木が嫌がらない、スーッとナイフの刃が進む力加減を見つけてみよう」という声がけをして、子ども達はそれぞれに言葉のイメージを重ねるように、やさしめの力で木の枝を削っていきました。


木が嫌がらない削り方だと表面はすべすべに
軸ができたら、今度はきのこの傘を削っていきます。きのこの傘を、丸く削っていくのは、実はちょっと難しい作業です。今日はなるべく力を入れない削り方で進めてきたため、子ども達の中には「けずれない~」と悪戦苦闘する様子も見られました。それでも少しずつ、きのこの形が見えてきました。

きのこの傘を仕上げていきます

傘に丸みを作っていくのは技術的にも難しい作業です
きのこの形が削れた子達は、同じく削りの作業を終えた子とペアになって、枝からきのこをノコギリで切り落としました。長さが決まったキノコは、色鉛筆を使って、色を塗っていきました。

もうすぐきのこの形が完成です

色を塗り終えて・・完成したよ!
今回、子ども達が選んだ木によっては、かなり硬めで削るのが難しい材料もありました。
それでも、今回、新しい試みで「木が嫌がらない削り方を見つけてみよう」という促しに応える形で、子ども達は工夫しながら木の枝をナイフで削る様子が見られました。
この「木が嫌がらない削り方」をすると、木の表面がむしれること無く、きれいにすべすべの削り肌に仕上がるのです。これは大人目線かもしれませんが、木の肌をナイフで削ったとき本来の質感や美しさといったものを、少しでも感じてもらいたいな・・という思いで、今回はそのような言葉がけを選んで、きのこ作りにチャレンジしてもらいました。

完成したきのこと、やり切った子ども達


まだなかなか難しいところもありますが、色々な言葉がけをしていきながら、子ども達とのもの作りを楽しんでいきたいと思います。
次回、11月はサンタクロース作りを予定しています。
お楽しみに!

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