先の10月4日~6日にかけて、岐阜市川原町の長良川てしごと町屋CASAで木工専攻の2年生達が自作したお弁当箱の展示販売会を開催しました。
自分は夏休み中から学生達の頑張りを毎日見ていたので「もう、展示や販売の結果はどうでもいい、この頑張った過程に価値があるんだ」くらいに感じていましたが、浅はかな教員の予想を超えて2年生達はカッコいいお弁当箱を作り上げました。
展示販売会の方は3日間でほぼ完売という素晴らしい結果で幕を閉じました。本当にお疲れ様でした。このブログはオフィシャルではありませんが、学生達から写真掲載の承諾をもらいましたので、この場を借りて皆が作ったお弁当箱をご紹介します。
さくらの曲げわっぱ
曲げわっぱは主に針葉樹(スギ、ヒノキ、サワラ)を使用することが多いですが、今回制作するのは広葉樹であるヤマザクラを使用しています。なぜヤマザクラなのかというと、曲げわっぱには曲げた木をとめる為にヤマザクラの樹皮を使います。(製作者のコメントより)
木も生き物であり、その命を頂いて制作しているわけですから無駄なく使ってあげることが大事なことであると私は考えています。そして、見た目としてもヤマザクラの赤みがかった色がとても鮮やかなので、この樹種を選ぶことにしました。
Octa(オクタ)
細長いスペースに入れて持ち運べることをコンセプトに八角形にしました。円や六角形では包みにくく、また縁起のいい数字でもある八角形をモチーフにデザインしています。使っている材は岐阜県産の栗です。広葉樹の中では比較的軽く、白く美しい木です。
機械で平らな面を出すと残ってしまう小さな傷跡も鉋で、一枚一枚綺麗に落としていきます。(中略~)はみ出したボンドも丁寧に拭き取り跡が残らないようにします。ボンドを塗る場所は、8角形なので一つにつき8箇所、三段弁当なのでさらに三倍、それが8個分あるので…あんまり考えたくありませんね、、、(笑)
The Box
見ての通り、四角いお弁当箱。そのままですね。他の学生が個性ある弁当箱を作る中で、一つぐらいシンプルなデザインのものがあってもいいのでは?という思いから製作しました。使っている材は、岐阜県産のヒノキです。皆さんにもなじみの深い、いい匂いのする材ですね。
板の接着面を45度の角度に切断し、組み上げた時に箱型になるよう部材を木取っていきます。製品の良し悪しを決める大事な工程です。
おにぎりボックス
この三角屋根のような形は・・・そうです、おにぎりを入れるための「おにぎりボックス」なのです。おにぎりを握って持ち歩くけれど、「形が潰れてしまった!」そんな経験はありませんか?しかしこれなら大丈夫、形を崩すことなく持ち運びができる形を考えデザインしました。
杉のほのかな香りと明るい色味がごはんを引き立ててくれる「おにぎりボックス」。ちょっぴりユニークなお弁当箱
u(う)
「長良川」にちなみ、「鵜のくちばし」をモチーフにしました。岐阜県産のホオノキを使用し、カーブの部分は「挽き曲げ」という技法を使って曲木をしました。「挽き曲げ」は曲げる木材の内側にノコギリの挽き目を入れて曲げる方法です。
拭き漆は細かな傷があると目立ちます。また、接着剤の上には漆が定着しません。そのため、接着剤のはみ出しを落とし、入念にサンディングをして加工時についた傷を落とすなど、仕上げには細心の注意を払いました。
以上、5名の学生が取り組んだ5つのお弁当箱の紹介でした!
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