新しいカメラを使うようになって1年。少しづつですが、やっと思うような写真が撮れるようになってきました。
以前まで撮影する写真は、あくまで「記録」として残すものでした。しかし、このごろでは記録としての写真ではなく、人に見せるための写真。写真自体が作品のクオリティを持つ必要性を強く感じています。作り手の中には、安くない対価を払って自身の作品をプロカメラマンに撮影してもらっている人も少なからずいます。
なぜ写真にそこまでこだわるのか?
そんな写真の重要性のお話です。
ツールとなる写真とは
写真を撮る理由は何なのか?
少し前までは、講義や資料を作るための素材としての「内向き」な必要に迫られて写真を撮っていました。プリントを作る際に、それをわかりやすく伝える画像であったり、パワーポイントでスライドを作る際のイメージ画像などです。これらは事実を見やすく、わかりやすくするための写真です。
一方で「広報」のための写真を撮ることも出てきました。その時に感じるようになったのが、記録であると同時に「作品」として魅せる写真の必要性です。
フォトジェニックであることの大切さ
既に久しい話題ではありますが、広報や集客の実践において、フォトジェニックや映えというキーワードが重要であり、観光地では、写真を撮ってもらうためにわざわざ撮影スポットを整備しています。「いいね」と言われる写真を撮ってもらうことがイコールで広報や集客に結び付くことが実証されており、写真が人を動かすツールとなっています。
自分が行っている活動や教育の話に戻りますが、基本的に自分たちの活動は社会に結び付く「実践」であるよう心がけています。つまり、自己完結の活動では無いということです。外部にPRすることや、一般の人を巻き込んで行う活動であるということ。人を巻き込んでいくために、広報はとても重要です。その広報に使う素材を集めだしたとき、フォトジェニックな写真の必要性を感じるようになりました。
プロの木工家の中にも、作品の撮影はプロカメラマンにお願いするという人がいます。これも写真のクオリティが販促やプロモーションにつながるという事実があるからです。コストを払う以上のバックが見込める可能性があるゆえに写真に対する投資をしているわけです。
魅力を伝えるための写真
写真の表現方法は色々あります。
時には実際の物以上に魅力的に見せることも可能です。
嘘を発信するわけではありませんが、そこにある事象や物の魅力的な1面をクローズアップして表現できるのは写真の強みです。先日、学生が製作したお弁当箱の写真を撮影したのですが、「このお弁当箱なら欲しい!」とその写真が好評だったそうです。
お店まで足を運ぶのは大変な人にも、写真を通して魅力を伝え、販売につなげることも可能になります。また、そのような反応が得られたことで、製作にあたっていた学生のモチベーションも大いに上げることができました。このケースでは、写真を販促のためのツール。モチベーションを上げるためのツールとして活用していると言えます。
モノ作りなり、活動なりを発展・発信する上で、魅力的な写真が撮れることは大きな武器になると感じています。
学内の撮影環境
ありがたいことに、外部と連携した活動をしている関係で撮影機材をいくらか揃えることができました。それを連携事業や学内の撮影にも活用しています。基本的な撮影技術や初歩的なストロボワークを実践できるよう、自身のカメラワークの勉強と並行して、撮影用の環境作りもしています。
撮影に使っているミラーレス一眼レフの富士フィルムX-T2はカメラの設定がほぼ全てダイヤル式で操作ができるため視覚的にカメラの設定が理解がしやすいという特徴があります。ファインダーで見る画像にカメラの設定が即反映されることもあり、初心者でも使いやすく撮影技術の説明用にはうってつけということで選んだ機種です。結果的にこの仕様は自身の撮影のスキルアップにも、とてもプラスにはたらいていると感じています。まだ未熟な技術なりにもキレイな写真を写し出してくれるのも、撮影のモチベーションを上げる意味で初心者向きと言えるかもしれません。
まとめ
以前に使っていたカメラは機能的な限界値が低く、光量が少ない室内で撮影すると、画像が荒れたり被写体ブレをしたりで、まともな絵を撮ることができませんでした。それをきっかけに、カメラについて調べはじめ、作品的な写真撮影の重要さに気付くきっかけになりました。
作り手は写真の撮影レベルを高めることで、販売やプロモーションにとても高い投資対効果が期待できます。特に今回、安価ではありますがストロボを導入しての物撮りを試したところ、とてもクオリティの高い写真を撮ることができ、外からの反響にも手ごたえを感じました。
ウェブ広報が主流となる昨今、写真撮影はモノ作りにおいても必須ともいえるスキルになってきます。写真をどう撮るか?という以上に、その写真をどう活用するかが大きなテーマとなりますが、ウェブやチラシなどで作品や活動の魅力を伝えるスキルとして撮影技術も高めていきたいと考えています。
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