アカデミー卒業生が執筆した「こどもとおとなのナイフワーク  サポートブック」

私が勤める、岐阜県立森林文化アカデミーのクリエーター科木工専攻卒業20期生の松川久美子さんが執筆した「こどもとおとなのナイフワーク サポートブック」の販売が始まりました!

こどもとおとなのナイフワークサポートブック

こどもとおとなのナイフワーク サポートブック(松川久美子 著)

この本は、「子ども達と一緒にナイフを使って木を削ってみたい!」という人達に向けた、ナイフワークのサポートブックです。

その内容は、松川さんが学生時に課題研究で取り組んだ「子どもと保育士のためのナイフワーク-日常の保育でできる取り組み」と、卒業後も継続してきた実践をもとに、必要な道具の選び方や子ども達にも作りやすいクラフトアイテムなどが、やさしい言葉とイラストで解説されています。

自分がこの本を読んで、素敵だなと思ったのは、松川さん自身が実践の中で感じた不安な気持ちや、活動を通じて見えた、周囲の変化などについても紹介されているところです。子ども達を対象にしたナイフの活動を始めようとすると、周囲の人も自分自身も、だんだん不安な気持ちがふくらんできます。でも、その不安の原因はこんなことなんだよ。不安の先には、こんなことが起きたんだよ。ということが、サポートブックには書かれています。この本を読むことで、一歩を踏み出すきっかけになる「自分もやってみよう!」とそう思えるようなサポートブックになっています。

松川さんが2021年にmorinosで行ったナイフワークショップ

松川さんが2021年にmorinosで行ったナイフワークショップ

いま、子ども達の成長や教育に関わる方たちから、子ども達の「実体験離れ」を不安視する声が上がっています。かつて、小さな刃物は、子ども達のあそびのツールであり、創意工夫や悪戦苦闘しながら手先の使い方を育むツールとして身近なところにありました。しかし、昨今では、危険という側面のみが言われてしまい、「ナイフ」は、子ども達の生活から遠ざけられてしまいました。・・・でも、これで本当に良いのでしょうか?

子ども達とナイフを使える場は、少しずつ広がっています。

そんな思いの方が毎年全国からアカデミーに集まり、今年は3回目になる「子どものナイフワーク講習会」が先の3月に開催されました。

毎年少しずつですが、子ども達とナイフを使う活動のフィールドは広がっていることを感じます。松川さんご自身も、現在、地元仙台市の保育園で、子ども達がナイフワークを体験できる場作りを広げていっています。今回のサポートブックが、この活動の広がりを、よりいっそうの後押しをしていってくれるものと期待しています。

(松川さんの活動はこちらからご覧頂けます)
Instagram morinoteshigotoya_minomushi

今回のサポートブックを製作するにあたっては、アカデミー卒業生が運営するNPO法人グリーンウッドワーク協会さんが発行人となり、デザイン、販売を担ってくれました。このように、共通の価値、活動を共有できる卒業生達が連携できるのも、アカデミーの人のつながりの強みだと思います。松川さんが始めた子どものナイフワークの活動は、グリーンウッドワーク協会さんや、アカデミーの教員、学生、卒業生達が、今も岐阜県内で引き継いで、それぞれの活動フィールドで行っています。

本のご購入はこちらから

このサポートブックはグリーンウッドワーク協会さんの運営する、ウェブショップから購入することが可能です。

こどもとおとなのナイフワーク サポートブック販売ページ

また、本の中身を見てみたいな~という方はmorinosにこのサポートブックを置いていますので、morinosに遊びに行った際に、ぜひ手に取ってご覧頂けたらと思います。

morinosにも置いてるよ!

morinosにも置いてるよ!

学生時代、自分もお手伝いさせてもらったプロジェクトが、こうして形になるのは、とても嬉しいことです。手元に届いた本を見て、あー、このアイテム、一緒に枝を色々けずって、あーでもない、こーでもないと、苦労して形にしたなー・・とか、懐かしい思い出にも、少し浸ってしまいました。

森林文化アカデミーの木工専攻では、ただ、モノを作る作り手だけではなく、作る技術を教育や木育に活かしていける人材も育てていくことを目指しています。今後も、そんな卒業生の活躍をご紹介していけたらと思います。

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