7月30日(火)に、みやま保育園の年長児を対象にした木育ナイフ教室を開催しました。この日のテーマは夏らしく「むし作り」。特定の形を作るのではなく、カブトムシやトンボ、はたまた外国の昆虫に想像上の「かっこよい虫」なんていうのもありです。さあ、今回はどんな作品ができあがったでしょうか。
今回のナイフ教室では「ホオノキ」という樹種を使いました。大きな葉っぱが特徴的で、岐阜県では「朴葉寿司」「朴葉味噌」などの料理への利用でも知られています。この木はナイフ教室の数日前に、郡上市の六ノ里にある広葉樹林で、森林文化アカデミーの学生達が実習で切り出しました。
この日は冒頭に「みんなが今日使う材料の枝だけど、このホオノキの切り株はどんな大きさだと思う?」と、対話形式で実際に山で木を切った際の動画なども見てもらいながら、実際に山に木が生えている様子や木が切られるところに思いを巡らせてもらいました。
材料のお話が終わったところで、説明をバトンタッチ。いよいよ、むしの作り方の説明です。「むしは好き?」という質問に、子ども達からは「好き!」「クワガタが好き!」など、元気な声が返ってきます。
今回のむし作りは、みんな関心の高いテーマなのか、説明を聞く姿勢にも、いつもにも増した集中した姿が見られました。まずは最初に、ナイフを使うときの3つのルールの確認から。そしたら次は、むし作りの手順の説明です。みんな熱心に話を聞きながら、ナイフを使うかのちゃんの手元の作業に注目します。
そして、いよいよ子ども達の作業がスタートです。
前回もやったナイフを使って枝を割る作業。手順をきっちり覚えている子も多く、みんなきれいに枝を割れました。
ナイフを使って形を整える作業は、みんなそれぞれの考える「かっこいいむし」をイメージして進めていきます。大きく木の皮を削る子。先をとがらせて削る子。あえて、ちょっぴりだけ削って仕上げる子。思っていた以上に、みんなそれぞれ違います。さて、どんなむしができあがるのでしょうか。
このあと、むしの形を仕上げていくため、ノコギリの使い方、手回しドリルの使い方を確認しました。子ども達にとっては何度か経験した作業で、それほど難しい仕組みがある道具ではありませんが、正しい使い方をしないと、疲れるばかりで思ったような加工はできません。なので、毎回、道具の使い方や作業の仕組みは、ふり返りふり返りで説明をしています。
こうしてできあがった、むしの体に、剪定ばさみで切った小枝のツノを取り付けて、事前にみんなで切り出しておいた木の輪切りの上に脚、体、と並べていきます。こうしてみんなの作品が完成しました。
小さいむし、大きいむし、葉っぱの羽根の付いたむし、大きな目をしたトンボに、立派なツノのカブトムシ、ほかにもいろいろ、素敵なむしが並びました。子ども達は自分の思う形を完成させるために、最初から計画的に形を決めていく子もいれば、お隣のお友達の工夫を見て「それいいね!」と同じ形を取り入れる子。それぞれに、自分の作品作りを楽しんでいたのが印象的でした。
この日のナイフ教室では、作品作りだけでは無く、冒頭の材料の説明の際に、森での伐採作業の様子を写真で紹介したり、実際に木を切るところのビデオを一緒に見てもらったりしました。自分たちの作品作りがが、実は森とつながっている。そんなことも、少しずつ感じてもらえたら良いなと思います。
次回、8月はカスタネット作りの予定です。おたのしみに!
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