竹は工作材料の優等生!【おとなと子どもの里山ナイフ教室】

8月14日に、名古屋市農業センターdelaふぁーむで、おとなと子どもの里山ナイフ教室を行いました。

この会場は今年の春にも、森林文化アカデミーの学生達が企画する形で、タケノコ掘りと竹カトラリー作りのプログラムを開催しています。今回は暑い暑い夏のプログラムということで、施設の竹林から切り出した竹を使って「アイススプーン」を作るプログラムを行いました。

孟宗竹の竹林から、歩道側に傾いた竹を1本切り出しました

プログラムの日の朝、施設内の竹林から孟宗竹を1本切って、材料に頂きました

プログラムの冒頭、参加者の皆さんに「今回はどんなことを期待して参加しましたか?」という質問をすると、お子さん連れの方から「夏休みは何もないとゲームやYouTubeばかりになってしまうので、何か体験をさせたくて」というお答えがありました。これはもしかすると夏休み期間、多くのご家庭で、一緒の悩みを抱えている方がいらっしゃるかもしれません。連れてこられたお子さんからすると、しぶしぶという感じだったのかもしれませんが、プログラムの終わるころには、色々な道具を使い分けながら、いろいろな竹のクラフト作りを楽しむ姿が見られる1日となりました。

ノコギリで竹を切ります

まずは節間で竹を切ります

まずは最初に竹を切る作業からスタート。「ノコギリは使ったことはあるかな?」と聞いてみながら手順を説明していきます。いざ、作業を始めてみると、あまり道具の扱いには慣れてはいない様子。まずはゆっくりと慎重に竹を切っていきました。

パカンと竹を割る楽しい作業

パカンと竹を割る楽しい作業

いま、日常であまり竹を「割る」という機会は無いですよね。

ノコギリから「マンリキ」という道具に持ち替え、竹の上から木槌で打ち付けるようにして竹を割っていきます。竹は「節(ふし)」を取り除いてしまえば、縦方向には容易に割ることができます。この作業には皆さんすぐに慣れて、パカンパカンと楽しく竹を割っていきました。

ナイフの使い方のレクチャー

続いてはナイフの使い方のレクチャー

スプーンの裏側を平らに削ります

スプーンの裏側を平らに削ります

ナイフの持ち方や使い方、安全にナイフを使うための注意点など、一通りの説明を終えたところで、実際に竹を削っていきました。竹は木と違って表面が固いため、刃を食い込ませるのに少しコツが要ります。竹を割ったスプーンの材料はたくさん作ってあったので、数本分のスプーンの材料を皆さんに削ってもらいました。

スプーンの先端を曲げます

スプーンの先端を曲げます

竹は熱を加えることで比較的簡単に曲げることができます。今回はスプーンの先端をゆるく曲げて作ることにしました。削った材料をしばらくお湯でゆでてグイ、グイっと曲げていきました。

思い思いの形に削って、スプーンを仕上げていきます

完成形をイメージしながら、スプーンを仕上げていきます

形の作り方を確認しながら進めていきます

形の作り方にはコツがあるので、削る順番を確認しながら進めていきます

スプーンの先端が曲がったら、竹の側面を削ってスプーンの形に仕上げていきます。

竹は繊維がとても丈夫なため、ナイフを入れる向きによってはうまく削れなかったり、繊維にそって割れてしまったりすることもあります。ナイフを入れる向きに注意をしながら、いくつかのナイフワークを使い分けて形を作っていきます。

スプーン、他も完成!

スプーン、箸、箸置きにカトラリーケース(右端)など、いろいろ完成!

竹の淡いグリーンを活かしたアイススプーン

竹ならではの淡いグリーンのアイススプーン

スプーンの形を削り出したら、紙やすりで磨いて形を整えて・・完成です!
材料を数本準備していたので、サイズの違うスプーンを作ったり、飾り削りを入れてみたり。他にも箸や箸置き、カトラリーケースなど、竹の形を活かした作品が色々できあがりました。竹は木と異なり、筒状の形が半完成品としてできあがっています。この形を元に、少し手を加えると、竹は様々な道具に変わっていく面白さがあります。今回は時間にも余裕のあるプログラムであったため、思いつくまま、色々な作品を作って頂く1日になりました。

完成したスプーンでファーマーズカフェのジェラートを食べました

完成したスプーンでファーマーズカフェのジェラートを食べてプログラムは終了!

参加者からは「じっくり、ゆっくり丁寧に教えて頂き、とても楽しかったです」「いろんなものが竹で作れてとても楽しかったです。また、同じプログラムをやってみたい」「子どもが短い時間で、どんどん成長していく様子をみることができて、今日は来て良かった」といったご感想を頂くことができました。

名古屋市農業センターでは、この施設ならでは収穫体験や自然の観察会など、様々なプログラムが行なわれています。また機会があれば、この環境を活かした里山ナイフ教室を企画できたら良いなと思います。

(この記事はmorinosにアップしたレポートを加筆修正しています)

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