8月28日(木)に、みやま保育園の年長さん達と「こま作り」を行いました。
実は子ども達とのクラフト教室の活動でコマ作りを行ったのは過去に例がなく、自分達にとっても今回が初めてのこと。4回目の活動になる子ども達にとって、こま作りの難易度はどうなんだろう・・?という思いもあったのですが、いざ、ふたを開けてみると、とても素敵な活動になりました。

今回はこま作り!
今、年長さん達のなかでこま回しが流行しているそうで、子ども達は先生方よりも上手にこま回しができるのだそうです。朝のご挨拶で「今日は何を作るか知っているかな?」と振ってみると、みんなとても楽しみにしていたようで「こま!こまー!!」と、大きな声が返ってきました。

まず最初に見本のこまを見てみます。回る形はどんなのかな?
今回のコマの製作指導は、森林文化アカデミー卒業生のかのちゃんが担当しました。
クラフト教室も今回が4回目。回数を重ねて子ども達も慣れてくると、説明中にふざけだしてしまうようなことも出てくるのですが、今回はびっくりするほど、みんな集中して作り方の説明を聞いていました。
今回、材料に用意した木はサカキとヒサカキです。
どちらも似た色と形の木ですが、木の皮の色合いや模様にちょっとした違いがあります。材料を手にした子ども達は、これはサカキ?こっちはヒサカキかなといいながら、自分のこまになる材料を選んでいました。
こまの製作手順はある意味とてもシンプルで、木の枝をくるくると回しながら、徐々に先端が先細りになるように削っていきます。説明の最初に、かのちゃんが回して見せてくれた、こまの形を頭にイメージしながら、それぞれのペースで木を削る作業がスタートしました。

こま作りがスタート

コツを掴めるよう、時折先生が手をそえて削ります
かのちゃんがこま作りのために教えてくれた削り方は3つ。
- 木の皮を削り落とす、樹皮削り。
- 木の先端に少しずつ丸みを作る、ちょこちょこ削り。
- 木の先端の角度を変えて削る、お野菜削り。
1、の樹皮削りは、いつもやっている木の削り方で、この部分はとてもスムーズに子ども達は削っていくことができていました。でも、次のちょこちょこ削りから、少し状況が変わってきます。
というのも、「ちょこちょこ削り」や「お野菜削り」は、うまく刃先の角度をコントロールして、適度に力も入れてあげないといけません。特に今回の材料のような、みっちりと繊維が詰まった硬さのサカキやヒサカキは、うまく削ることが難しいのです。

こまの形を削るのはなかなか大変

根気強く削っていきます。

子ども達はそれぞれのペースで作業を進めていきます
それでも、子ども達は(多少の弱音は聞こえてくるものの)、小一時間、枝の持ち方やナイフの角度など、それぞれに試行錯誤をしながら、木の形を少しずつ、少しずつ、こまの形に削っていきました。

つまみを付ける穴あけの説明中、真剣に見入る子ども達
何人か、こまの形が削れたところで、次の工程になる、ノコギリを使ったこまの長さ決めと、こまをまわす「つまみ」の部分の作り方を説明していきました。この時点で開始から1時間がたっていて、もう集中が続かないかな・・?と心配も少ししていたのですが、ナイフの作業から離れての説明で良い休憩ができたようです。説明を聞き終えると、それぞれに目を輝かせて自分の作業に戻っていきました。このとき、こまが完成するまでの工程を目の当たりにしたことで、「自分もはやく完成させるぞ!」と、良い方向で子ども達のハートに火が着いたようです。
ちょっと気がはやりすぎて、まだ、こまの先が尖っていないのに、ノコギリで切り始めようとしてしまう子も何人かいましたが、「よく回るコマにするために、もうひと頑張り削ろう!」と促すと、どの子も素直に真剣な顔をして、削る作業に戻っていきました。

削り終えた子は、長さを切って、つまみを組み立てます
そして、そうこうしているうちに、1人、また1人と、こまが完成してきました!

色を塗って完成させたこま

こま、まわったよ!
完成したこまは、すぐに上手に回せた子もいれば、少しバランスがとれておらず、すぐ倒れてしまうような子もいました。(なかには逆立ちごまになっていた子も!)
上手くまわらなかった子は、事前にこま作りの練習をしていた先生方にも手伝ってもらいながら、修正して、最終的にはコツをつかみながら、まわせるコマの形を完成させていました。

上手く回らないこまは、先生が修正してくれました
形ができ上がったコマは、それぞれに色塗りをしたり、広いスペースのある舞台で、お互いにまわしあって遊んだり。中には上手に逆さ向きにキノコのようにまわしている子もいました。
印象的だったのは、これまで作ったどのアイテムよりも、子ども達が目を輝かせて自分のこまで遊んでいたことです。

こまが完成して、とても誇らしげな子ども達
今回の活動では、子どものやる気が生み出す力は、たやすく大人の物差しでは測れないことを学ぶ機会になりました。
こま作りは削る部分も多く、長い時間、集中して取り組む必要があるため、なかなか多人数で取り組むのは難しい部分もあるかなと思っていました。でも、今回の子ども達を見ていると、こま回しの楽しさを知っている子ども達にとっては、1時間を超える削り作業も、頑張って乗り越えられるハードルであることを教えてもらったような気がします。一方でこの結果の要因には、作業に集中できる「ナイフワークならでは」の力も大きく影響しているように思います。
子ども達があせらず取り組めるよう、余裕の持てる作業時間を確保して頂いたり、根気よくナイフで削り続ける子ども達を見守り、励ましながら、子ども達の作業に伴走して頂いた先生方にも、今回はとても助けて頂きました。この活動は先生方の事前準備(工作の練習など)があって、成り立っています。
まだ次回、何を作るかは決まっていませんが、次の活動も子ども達が楽しみながら、集中して取り組める工作体験ができたら良いなと思っています。
みんな、でき上がったこまで、たくさん遊んでね!
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