9月のナイフ教室は「きのこ人形」をテーマに作品作りをしました。
今、森に入るとそこかしこに大小さまざまなキノコが目につきます。この時期、ナイフワークのテーマに「きのこ」は定番的な感じですが、今回は木を削って作ったきのこに手や顔を描きこんで人形にしてみました。
今回は予め木の枝にくるりと1周、ノコギリで切込みを入れた材料を準備しました。子ども達は、まずは切りこみの下に、人形の「腕」を取り付けるための穴あけから作業を始めていきました。穴あけは手回しドリルをぐるぐると枝に差し込んであけていきます。ドリルを回す手が疲れたら、今度は枝の方をぐるぐる回し裏側まで貫通する穴をあけました。
次はナイフで枝を削っていきます。
今回準備した材料はヒサカキとコシアブラの枝です。コシアブラは比較的柔らかい材料ですが、ヒサカキはちょっと固め。枝が太めであったことも相まって、この日はみんな「疲れたー」「手が痛いー」といつもより弱気になりながらのナイフワークでした。前日の川遊びで、みんな少し疲れがたまっていたのかもしれません。
それでも「こうやって削ると少ない力で削れるよ」「こんなふうにしてみると、鳥や鹿なんかも作れるよ」と、励ましながら進めていくと、だんだんとみんな元気を取り戻して削り進めていくことができました。(実は最初に鹿を作って子どもたちに見せたのですが、手の取り付ける向きが変な方向になっていたため、子ども達から「ヘンだ!」「そんなふうに手は付かない!」と非難を浴びることに。そこで急遽、鹿の顔をナイフで削り落として鳥に作例を作り替えたところ、子ども達からは「かわいい!」「自分も鳥を作る!」と、とても好評でした。このあたりのやり取りを経て、子ども達は元気を取り戻し、結果として今回は子ども達の作品に鳥が増えました。)
ナイフワークでキノコの外形ができたところで、ノコギリで切り落とします。
ノコギリはしっかりと枝を押さえていないと上手に切ることができません。なので、押さえる人と切る人が協力してノコギリで枝を切っていきます。みんな最初のころと比べると、道具を使うときに注意するポイントが言わなくても意識できるようになってきました。
ノコギリで切る前に、枝で作ったツノを取り付けてみる子もいました。ここから先は、それぞれに思う、かわいい・かっこいいキノコ人形を工夫しながら作っていきました。
今回は作業をしている途中、「あれ?今日はどうしたんだろう」と思うくらい、みんななかなかナイフワークに気持ちが向いていなかったのですが、途中から「みんなの好きな形できのこ人形をつくってみよう」と促したところから、みんな目の色が変わった感じで楽し気に作品作りに取り組んでいました。おとなだってそうですが、人に言われたままに作っているより、自由に自分で考えたものを形にしていくのが楽しいんですよね。
子ども達と取り組むナイフクラフトは、アイテム選び、難易度の設定、作り方の説明の仕方など、ちょっとした工夫や伝え方の違いによって、子ども達のやる気も楽しさも変わってくるようです。私達も子ども達の様子を観察しながら、楽しくもの作りができる場を提供していきたいと強く思いました。
写真はありませんが、今回は富波保育園の年長さん3名も一緒にナイフワークを楽しみました。
みやま保育園以外の保育士さん達も、毎月行っているナイフクラフトの勉強会に参加しています。今回の取組みも子ども達の見守りの体制ができてきたことで実現したことです。ナイフワークの活動の幅も少しずつ広がりを見せています。こうして山県市の中に大人も子どもも一緒にもの作りを楽しめる場を広げていけたら良いなと思っています。
また次回、10月のナイフ教室をお楽しみに!
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